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田舎でまったり暮らす主婦「さっこ」です。6人家族の紅一点。更新はマイペースです。ちょっとしたつぶやきはSakko Memoで毎日更新してますのでそちらもご覧ください。

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三浦しをん「エレジーは流れない」

最近、ラノベばかり読んでるのでたまには普通の(?)小説を読もうと思ったときに目に入ったのが、三浦しをんの「エレジーは流れない」でした。3年ぶりの新作小説らしいけど、そもそも私は三浦しをんの小説を今まで読んだことがないのでした。

とある寂れた温泉街に住む男子高校生の話なんだけど、とにかく彼らの会話がやたらリアル。私も現役男子高校生の母だし過去にも母だったわけだけど、めちゃくちゃヘドバンしながら読んでしまった。男子高校生のあるあるが詰まりすぎています。

また、主人公の家庭環境がちょっといわくつきだったりするんですが、そこもリアルだったりする。両親が揃っていて家族の仲が良くてお金の心配もしなくていい家庭のほうが実際は少数派なんですよね。息子達の周囲にも親が離婚して父親と二人暮らしの子、養父母に育てられて実の親の顔も知らない子、兄弟の出来が良すぎて成績はそんなに悪くないのに親から認められない子、シングル家庭なのに母親が男にうつつを抜かして父方の祖父母に育てられたような子…などなど、挙げだしたらきりがないぐらいサザエさん的家庭像とかけ離れた家庭環境の子がいっぱいいます。

でも彼らが悲観してるかというとそうでもない。そりゃあ悩むこともあるだろうけど基本友達とバカばっかりやってます。この小説もアホかと思うようなエピソード満載ですが、やたらリアリティがあって笑うより「うちの子にもこんなエピソードありそう」なんて思ってしまう。そしてやっぱりこの年頃の子達にとって、一番自分をわかってもらえるのは親より友達なんだろうなと思います。日常生活において親以上に関わりが強いもんね。

ちょっぴりミステリーじみた主人公の出生の秘密とか冒険みたいな騒動とか、多少起伏はあるものの、彼らの日常はゆるゆると続いていく。そこもまたリアリティがあって良い。生ぬるすぎて合わない人もあるだろうけど、ドラマチックな人生のほうが稀なんだから仕方ない。そういう分野の小説はいくらでもあるので、単に小説に求めるものが異なるってだけですね。

基本的に主人公の一人称で語られる作品ですが、そのわりに読みにくくない。一人称視点の作品だと話の流れがよくわからなくなるパターンが私にはあるのですが、それが一切ないのは珍しい。それだけ著者の表現が私にカチッとハマるのか、もしくは共感できる部分が多いので脳内で補完できるのかのどちらかでしょう。

彼らのその後を知りたいとちょっぴり思うけど、これ以上は蛇足になるでしょう、多分。まだ進路がはっきり定まらないままに話を終えるのも絶妙だと言えます。

#小説