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電子書籍アプリhontoとkinoppy
- 2022.3.14(Mon) 11:26:25
- 感想
コロナ禍以降、すっかり外出の頻度が減ってしまい、本屋へもあまり足を運ばなくなりました。元々田舎なので本屋の品揃えは昔住んでいた大阪とは比べられないほど貧弱で、ネットで購入することが多かったんですが。それに加えて息子達が大きくなってそれぞれが本を購入するものだから本が溢れてるんですよね。「電子書籍より紙の本がいい」とおっしゃるので、自然と電子書籍に比重が傾くようになりました。
最近まではほとんどKindleで購入してたんですが、ここに来て大量の蔵書を抱えるには不向きなんじゃと思うようになりました。未読管理できないのがとにかく痛すぎる。というわけで未読管理ができるhontoと紀伊國屋書店のKinoppyを使って、どちらかをメインにしようと考えてます。hontoは紙の本を取り寄せるのに使ってたついでに電子書籍を買うこともありましたが、kinoppyはまだ使い始めたばかりです。また、hontoもkinoppyもリアル店鋪と連携してポイントを貯められますが、残念ながら田舎すぎてリアル店鋪のメリットは享受できません。というわけで電子書籍の購入面やライブラリ(本棚)、ビューアに関してのみの感想となります。ちなみに小説はスマホ、マンガはタブレットで読んでます。
購入面
セールやポイント還元などのお知らせバナーや検索についてはどちらも似たりよったりの使い勝手です。ただ、書籍の詳細ページについてはhontoに軍配が上がるかと。どちらもレビューが表示されるのですが、hontoは読書メーターとも連携してるので圧倒的にレビュー数が多い。レビューを参考にすることが多いので、この点に関してはhontoのほうが使い勝手がいいです。
価格面においてはhontoはクーポンをマメに発行してるのに対し、kinoppyはポイント還元をメインに据えてる感じです。まとめ買いが多い人ならhontoのほうが良さげ。ただ、クーポンはセール商品対象外なので注意が必要です。
ライブラリ(本棚)
hontoのライブラリでの本の並び替えは新しい順、購入順、タイトル順、著者順のソートのみです。Kindleのコレクションに相当するマイリストでも同様です。ただ、シリーズものに関しては自動でまとめてくれるし、何よりジャンル別(書籍・コミック・雑誌・マイリスト)で分けて表示できるのはポイントが高い。また、読書進捗で分けられるので未読管理が楽。
読書中カテゴリがあり、リスト表示にすると何%読んだかが一目でわかるようになってます。数冊を並行して読む場合には大変ありがたい機能です。
kinoppyの本棚は文字通り本棚のように使えます。本棚の追加も棚の追加もできますし、本の並び替えも棚の並び替えも自由自在です。自炊本をインポートできるので、蔵書を集約したい、自分の思い通りに本を並べたい人にはこれほど適した機能はありません。また、条件による本の抽出も可能です。最初から未読の本などの条件が設定されてますが、設定の追加も編集も可能。ただ、hontoのように読書中の本を抽出する条件指定はないようです。そこだけが残念。また、シリーズでまとめてひとつの表紙にすることはできないので、シリーズものをたくさん購入してる人は本棚が溢れてしまうかも。背表紙モードはありますが、本当の背表紙が表示されるわけではなく単に縦長になるだけなので使い勝手はあまりよろしくないです(※対応してる書籍があるかもしれません)。
ビューア
私は本にマーカーを引いたりメモしたりしないのでビューアなんてどれも似たようなものだと思ってたけど、微妙に違う。ページ上部に表示されるもの、どちらもペース数は共通だけど、それ以外が異なる。hontoは章のタイトルだけど、kinoppyは書籍のタイトル。流石に読んでる本が何なのかわからないほどボケてないので、そんな情報は要らぬ。でもページ数とタイトルの表示はセットなのよね…。
ページの背景、フォント、文字サイズなどの設定はどちらもできるけど、文字サイズに関しては1%刻みで設定可能なkinoppyのほうが好みの文字サイズにしやすい。hontoはそこまで細かい調整はできないので、好みの文字サイズにできない人もいそう。行間の調整もkinoppyしかできないし、読む環境としてはkinoppyのほうに軍配が上がりそうです。
まとめ
どちらも一長一短な使い勝手ですが、衝動的に大人買いしてしまう私にはhontoのほうが合ってるかも。自動でシリーズをまとめてくれるのと、読書中の本の管理ができるのはありがたいです。
それにkinoppyはアプリ内での購入ができなくなるんですよね。hontoはapkファイル配布でこれからも対応するみたいだけど。アプリ内で購入できなくなると大幅に利便性が失われるのは間違いなく、どうしてもhontoを選んでしまうかな。ビューア自体はkinoppyのほうが優れてると思うので残念です。
#小説 #マンガ #アプリ
最近まではほとんどKindleで購入してたんですが、ここに来て大量の蔵書を抱えるには不向きなんじゃと思うようになりました。未読管理できないのがとにかく痛すぎる。というわけで未読管理ができるhontoと紀伊國屋書店のKinoppyを使って、どちらかをメインにしようと考えてます。hontoは紙の本を取り寄せるのに使ってたついでに電子書籍を買うこともありましたが、kinoppyはまだ使い始めたばかりです。また、hontoもkinoppyもリアル店鋪と連携してポイントを貯められますが、残念ながら田舎すぎてリアル店鋪のメリットは享受できません。というわけで電子書籍の購入面やライブラリ(本棚)、ビューアに関してのみの感想となります。ちなみに小説はスマホ、マンガはタブレットで読んでます。
購入面

価格面においてはhontoはクーポンをマメに発行してるのに対し、kinoppyはポイント還元をメインに据えてる感じです。まとめ買いが多い人ならhontoのほうが良さげ。ただ、クーポンはセール商品対象外なので注意が必要です。
ライブラリ(本棚)



ビューア

ページの背景、フォント、文字サイズなどの設定はどちらもできるけど、文字サイズに関しては1%刻みで設定可能なkinoppyのほうが好みの文字サイズにしやすい。hontoはそこまで細かい調整はできないので、好みの文字サイズにできない人もいそう。行間の調整もkinoppyしかできないし、読む環境としてはkinoppyのほうに軍配が上がりそうです。
まとめ
どちらも一長一短な使い勝手ですが、衝動的に大人買いしてしまう私にはhontoのほうが合ってるかも。自動でシリーズをまとめてくれるのと、読書中の本の管理ができるのはありがたいです。
それにkinoppyはアプリ内での購入ができなくなるんですよね。hontoはapkファイル配布でこれからも対応するみたいだけど。アプリ内で購入できなくなると大幅に利便性が失われるのは間違いなく、どうしてもhontoを選んでしまうかな。ビューア自体はkinoppyのほうが優れてると思うので残念です。
#小説 #マンガ #アプリ
三浦しをん「エレジーは流れない」
- 2021.5.24(Mon) 12:32:31
- 感想
最近、ラノベばかり読んでるのでたまには普通の(?)小説を読もうと思ったときに目に入ったのが、三浦しをんの「エレジーは流れない」でした。3年ぶりの新作小説らしいけど、そもそも私は三浦しをんの小説を今まで読んだことがないのでした。
とある寂れた温泉街に住む男子高校生の話なんだけど、とにかく彼らの会話がやたらリアル。私も現役男子高校生の母だし過去にも母だったわけだけど、めちゃくちゃヘドバンしながら読んでしまった。男子高校生のあるあるが詰まりすぎています。
また、主人公の家庭環境がちょっといわくつきだったりするんですが、そこもリアルだったりする。両親が揃っていて家族の仲が良くてお金の心配もしなくていい家庭のほうが実際は少数派なんですよね。息子達の周囲にも親が離婚して父親と二人暮らしの子、養父母に育てられて実の親の顔も知らない子、兄弟の出来が良すぎて成績はそんなに悪くないのに親から認められない子、シングル家庭なのに母親が男にうつつを抜かして父方の祖父母に育てられたような子…などなど、挙げだしたらきりがないぐらいサザエさん的家庭像とかけ離れた家庭環境の子がいっぱいいます。
でも彼らが悲観してるかというとそうでもない。そりゃあ悩むこともあるだろうけど基本友達とバカばっかりやってます。この小説もアホかと思うようなエピソード満載ですが、やたらリアリティがあって笑うより「うちの子にもこんなエピソードありそう」なんて思ってしまう。そしてやっぱりこの年頃の子達にとって、一番自分をわかってもらえるのは親より友達なんだろうなと思います。日常生活において親以上に関わりが強いもんね。
ちょっぴりミステリーじみた主人公の出生の秘密とか冒険みたいな騒動とか、多少起伏はあるものの、彼らの日常はゆるゆると続いていく。そこもまたリアリティがあって良い。生ぬるすぎて合わない人もあるだろうけど、ドラマチックな人生のほうが稀なんだから仕方ない。そういう分野の小説はいくらでもあるので、単に小説に求めるものが異なるってだけですね。
基本的に主人公の一人称で語られる作品ですが、そのわりに読みにくくない。一人称視点の作品だと話の流れがよくわからなくなるパターンが私にはあるのですが、それが一切ないのは珍しい。それだけ著者の表現が私にカチッとハマるのか、もしくは共感できる部分が多いので脳内で補完できるのかのどちらかでしょう。
彼らのその後を知りたいとちょっぴり思うけど、これ以上は蛇足になるでしょう、多分。まだ進路がはっきり定まらないままに話を終えるのも絶妙だと言えます。
#小説
とある寂れた温泉街に住む男子高校生の話なんだけど、とにかく彼らの会話がやたらリアル。私も現役男子高校生の母だし過去にも母だったわけだけど、めちゃくちゃヘドバンしながら読んでしまった。男子高校生のあるあるが詰まりすぎています。
また、主人公の家庭環境がちょっといわくつきだったりするんですが、そこもリアルだったりする。両親が揃っていて家族の仲が良くてお金の心配もしなくていい家庭のほうが実際は少数派なんですよね。息子達の周囲にも親が離婚して父親と二人暮らしの子、養父母に育てられて実の親の顔も知らない子、兄弟の出来が良すぎて成績はそんなに悪くないのに親から認められない子、シングル家庭なのに母親が男にうつつを抜かして父方の祖父母に育てられたような子…などなど、挙げだしたらきりがないぐらいサザエさん的家庭像とかけ離れた家庭環境の子がいっぱいいます。
でも彼らが悲観してるかというとそうでもない。そりゃあ悩むこともあるだろうけど基本友達とバカばっかりやってます。この小説もアホかと思うようなエピソード満載ですが、やたらリアリティがあって笑うより「うちの子にもこんなエピソードありそう」なんて思ってしまう。そしてやっぱりこの年頃の子達にとって、一番自分をわかってもらえるのは親より友達なんだろうなと思います。日常生活において親以上に関わりが強いもんね。
ちょっぴりミステリーじみた主人公の出生の秘密とか冒険みたいな騒動とか、多少起伏はあるものの、彼らの日常はゆるゆると続いていく。そこもまたリアリティがあって良い。生ぬるすぎて合わない人もあるだろうけど、ドラマチックな人生のほうが稀なんだから仕方ない。そういう分野の小説はいくらでもあるので、単に小説に求めるものが異なるってだけですね。
基本的に主人公の一人称で語られる作品ですが、そのわりに読みにくくない。一人称視点の作品だと話の流れがよくわからなくなるパターンが私にはあるのですが、それが一切ないのは珍しい。それだけ著者の表現が私にカチッとハマるのか、もしくは共感できる部分が多いので脳内で補完できるのかのどちらかでしょう。
彼らのその後を知りたいとちょっぴり思うけど、これ以上は蛇足になるでしょう、多分。まだ進路がはっきり定まらないままに話を終えるのも絶妙だと言えます。
#小説